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睡眠歯科(いびき 閉塞性睡眠時無呼吸 歯ぎしりくいしばり TCH)

 睡眠と歯科なんて繋がりがあるのだろうかと思われるかもしれませんが、実はとても深い関係があります。

「歯ぎしり」や「歯のくいしばり」(別項目でもご説明しています)

 上下の歯が接触している時間は通常15分程度と言われていますが、ストレスなどが原因で就寝時に大きな力で上下の歯を接触させてしまうことがあります。以前より歯科と言えば、むし歯か歯周病(しそうのうろう)というイメージがありましたが、現代ではむし歯と歯周病に並ぶほど「歯ぎしり くいしばり」の影響は大きくなっていると言えます。
 就寝時の歯ぎしりの影響で、かぶせものや詰め物の脱離、過度な歯の摩耗、歯の破折、顎関節症などが引き起こされることもあります。また、むし歯や歯周病は「徐々に」なっていくものですが、歯の破折は「突如」起こります。昨日までは元気に使っていたのに今日割れて使えなくという(おそろしいですよね)ことが起こるのも「歯の破折」です。
 「歯のくいしばり、歯ぎしり」の程度は個人差がとても大きいと言えます。お口の中の健康を考えるにあたって、その方それぞれの歯ぎしりやくいしばりの習癖の有無や程度を考えることは、必須と言えます。

 具体的な対策としては就寝時に、上または下にマウスピースをつけて寝ることにより、マウスピースがクッションとして働き、先に挙げた「かぶせものや詰め物の脱離」「過度な歯の摩耗」「歯の破折」「顎関節症」などのリスクを減らします。

 通常は厚さが2ミリのものを使用しますが、違和感を感じる方もいらっしゃるので1ミリのものも用意しています。歯の型取りをして作成しますので一通り治療が終わり安定期にある方が対象となります。

「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」

 これは寝ているときに気道が閉塞して呼吸が一時止まってしまう病気です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)とも呼ばれますが、歯科でお手伝いできるのは、そのうちの閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と呼ばれる病気の部分です。
呼吸がとまることは本人だけではなく、気道が狭くなって「いびき」をかくことにより、近くで寝ている人が気づく場合も多々あります。

 単にいびきが大きいだけの話であれば、(大きさにもよりますが)一人で寝ればいいだけですが、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)となると、無呼吸により高血圧(2倍)糖尿病(1.5倍)脳血管障害(4倍)虚血性心疾患(心筋梗塞等 3倍)のリスクを高めます。

 また昼間の眠気によって交通事故を引き起こす可能性があることも知られています。2003年に新幹線の運転士の居眠り運転が、睡眠時無呼吸によって引きおこされたことによりメディアに注目され、病名を知った方もいらっしゃることでしょう。

 日本国内では現在治療を受けている方は50万人程度と言われていますが、潜在的な患者は500万人いると言われています。つまり9割の患者さんがまだ適切な治療を受けていないということになります。

 睡眠時無呼吸の診断は睡眠時の脳波を測定する検査(PSG検査)によって行われます。これは専門の医療機関に一泊入院して行われる検査です(一般歯科で行われる検査ではありません)。

 歯科では多くの場合、医科(睡眠専門医や耳鼻科)からの依頼により、比較的軽症の患者さんに対してOA(スリープスプリント)を作成、睡眠時の気道が狭くならないよう促します。

 スリープスプリントは下の顎を前方に出して固定することにより、気道を広く確保しようとするものです。下の顎を前に出すと言っても出しすぎれば顎が痛くなってしまうかもしれませんし、出さなすぎても効果が期待できません。下の顎が前に出せる最大距離の半分くらいを目安にします。

尚、睡眠時に無呼吸の傾向があるかどうかは睡眠検査をすることにより調べることができます。

ご自宅のいつも寝ているベッドで脳波と経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定できる検査があります。

どうぞ下記のリンクから記事をお読みください。

睡眠検査について(インソムノグラフ S’UIMIN社)

 

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