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根の治療をした部分に精度の良いかぶせものが必要な理由

[2019.05.14]

 根の治療と、その後のかぶせものにどんな関係があるのかというのはよくご質問を受けますので、今回はこのことについて書きたいと思います。

根の治療をした歯をなるべく再発させないためにはかぶせものの精度が重要

 当院では、歯科治療用顕微鏡を使用した精密な根に治療をした部分には、保険適応外の土台、かぶせものをおすすめしています。その理由は、「根の治療をした歯をなるべく再発させないためには、土台、およびかぶせものの精度が根の治療の精度と同じくらい重要であるから」です。

なぜかぶせものの精度が重要なのか

 根管を一つの部屋にたとえてみましょう。部屋の外は皆さんの口の中で、そこには人間でも動物でもそうですが唾液の中に細菌がたくさんいます
 根管治療は部屋に入り込んだ細菌を部屋の外へ追い出すことです。細菌を追い出すためには部屋のドアを一度開けねばなりませんが、ただ開けただけでは、ドアを開けたと同時に細菌が部屋に入ってしまいますから、我々は特別なバリケードを作って治療中に部屋へ細菌が入らないようにします。このバリケードが「ラバーダム」です
 そして部屋の中から可及的に細菌を追い出した後、その部屋のドアをしっかりと閉めなくてはなりません。そのドアを閉める作業、ドアそのものを密閉性の高いものにするというのが土台でありかぶせものです
 部屋からきれいに細菌を追い出したとしても、絶えず細菌は部屋に入ってこようと必死ですから、私達はできるだけドアを密閉性の高い状態にしたいのです。

他の再発の理由(むし歯やセメントの劣化)

 かぶせたところがむし歯になるというのは、部屋の壁が腐ってしまって穴があくということですから細菌が再度部屋の中に入ってきてしまうことも想像しやすいと思います。これはむし歯予防に加え、かぶせもの、土台の精度を高め、お掃除しやすい(清掃器具がとどきやすい)環境を作っておくことが非常に大切です。フッ素を用いての予防や歯の接触する力への対策も必要です。
 また、むし歯にならなくても、ドアの精度によっては磨きのこしが溜まりやすくなることなどにより、ドアと壁の隙間から細菌が入ってきやすくなってしまいます。むし歯にならなくてもドアの隙間を通って細菌が侵入してくることは再発の主な原因の一つです(マイクロリーケージなどと表現します)。
 部屋の中をきれいにすること(根の治療)と部屋の中をきれいに保つこと(精密な土台とかぶせもの)はどちらも同等に重要なのです。

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