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ニートについて(健康の話題)

[2022.10.13]

 まずこのタイトルをみて非常に多くの方が、NEET(Not in Education, Employment, or Training 学校に通わず、働きもせず、職業訓練も受けない状態)を思い浮かべたかもしれません。今回のタイトルのニートはカタカナで書くとNEETと同じなのですが、そうではなくてNEAT(Non Exercise Activity Thermogenesis 非運動性熱産生)のことです。
とは言え、非運動性熱産生と聞いて「ああ、そっちのことね」となる人もいらっしゃらないですよね。

 私はこの言葉をごく最近知ったのですが、これはいわゆるマラソンとか水泳とかジムでやるような運動ではなく「日常動作」でエネルギーが代謝され、熱が発生することです。こう説明してもはっきりしませんので、具体的な例を申し上げますと、日常的な歩く立つ、座る、階段を登る下る、散歩、買い物などなどで消費されるカロリーのことです。
これが我々の日常的な関心事である「体重の適正化(肥った痩せた)」や、「健康を保つこと」に大いに関係があるらしいのです。特に「健康を保つこと」は直接「健康寿命を伸ばす」ことにも繋がり、現代のすべての医療が目指すところでもあります。


 「体重の適正化(肥った痩せた)」や、「健康を保つこと」の話となると、我々はジムにいかなくてはとか、マラソンをしなくてはと考えます。運動用のウェアはどこにあったかな、靴はまだはけるかしらとごそごそ探しものを始めたりします(私のことです)それも確かに一つの手段なのですが、もっと身近で見直すべきは「日常的にちょこまかと動いて消費カロリーを稼いでいく」ということらしいのです。
 

 たとえばいつもならつい自転車でいくところを徒歩でいってみようかとか、通勤をひと駅前で歩いてみようとか、普段ならエスカレーター、エレベーターを使うところを階段を上がってみようなどとすることです。電車でも席が空いているところを立ってみるなどもそうですね。ただ立っているだけよりつま先立ちを繰り返して運動にしてしまうのもいいかもしれません。レンジでチンするのを待つ間スクワットをしてもよいかもしれません(これはすごい絵になりそうですね)。家でスマホをいじりすぎて悩んでいる方は、スマホをいじっている間は、踏み台昇降をするのをルール化してはいかがでしょうか。(体のご不自由な一部の方を除いて)「椅子」と「ソファー」は大敵ということのようです。


 NEATに関連する実験としてある本に紹介されていたのが、京都大学の学生にセンサーをつけてもらい、1週間のカロリーの消費データをとって調べたところ、一番動いていない学生と、一番動いている学生にはカロリーにして1日あたり約200kcalの違いがあったそうです。これは速歩で1時間歩くぐらいの違いにあたります。200kcalというのは、1年間積もりに積もったら(単純計算で)脂肪10kg分だそうです。

 
 また20代を超えると基礎代謝(何もしなくても生きているだけで消費するカロリー)は1年で1%落ちていくそうです。基礎代謝が2000kcalだとすると1%は20kcalですね。これはコーヒーに小さじ1から2杯砂糖を入れるくらいのカロリーだそうです。20kcalが1年蓄積すると7000kcalちょっと。これは脂肪1kgにあたるそうです。実際の体はもうすこし複雑な計算だそうですが、何もしていなければ「無条件に」500g〜1kg程度の脂肪がついていくということになるそうです。現状維持ですら去年と同じではダメという大変厳しい現実が叩きつけられたことになります笑
毎日ジムに通えるような環境であればよいのですが、そうもいかない人も多いかと思います。ここでNEATが役に立ちます。日常動作ひとつひとつは大したことなくても「日常」動作ですから、少し余計に動こうとすればいくらでも工夫のしようがあり、チリも積もれば山となるわけです。つまり「ジムに行く時間とお金をどう捻出するか」とか「走るには休日の一人の時間が必要。どう家族を説得するか。家族に影響がない時間であれば朝早くか夜遅く、睡眠時間に影響が出そうだな」とかそのようなことを考えなくとも目の前に改善のヒントは転がっていて、その糸口(NEAT)は結構頼りになるぞ、ということらしいです。

毎日の生活を改めて捉え直すきっかけになれば幸いです(私も頑張ります)。

以下のリンクは「健康長寿ネット」というところに飛びます。サイト自体は高齢期の方に向けられたものですが、健康長寿の情報はすべての世代に参考になるものです。

NEATについてはこちらをご参考になさってください。

NEATの割合を高めるために、よりわかりやすく、実践しやすいように、具体的な方法を示した「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」がガイドラインとして示されています(こちら)。ヒントが色々書いてあります

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