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定期検診について

[2019.11.15]

定期検診について

「歯医者へ行く」というと、どこかに穴があいてしまったとか、ズキズキ歯が痛む、歯ぐきがはれてしまったなど、なにか症状が出ているときを思い浮かべる方も多いと思います。私も耳が痛くなれば耳鼻科へかかりますし、お腹が痛くなれば内科で行って診ていただきます。

予防医療

最近は予防医療ということがさかんに言われてきています。
症状が出るというの体から送られるシグナルではありますが、歯科に関して言えばそのシグナルが出るタイミングが、歯医者が期待するほど早くはないということが言えるのではないかと思います。

例えば、むし歯について、むし歯の症状は冷たいものを飲むとしみるであるとか、甘いものを食べるとしみるなど様々ありますが、こういった症状が出るときには既に歯の表面のエナメル質というバリアーは壊されて、その中の象牙質というところがある程度破壊されていることが考えられます。そしてそのむし歯につめものや被せものをしても、もとのとおりになるわけではないのです。これらのことは現代のみなさまであれば概ねご存知のことと思います。個人的な意見をいわせていただくと、体はシグナルをもうすこし早く出してくれればいいのに、と思っています。

定期検診の意味

そこで歯科では定期検診をおすすめするわけですが、定期検診にはどのような意味があるのでしょうか。
まず痛くもなんともないと思っても、ちゃんと調べてみると、症状が出るまでに至らないむし歯や歯周炎などがあるものですし、またむし歯のきっかけになる歯のヒビなどが観察される例が非常に多くあります。これはただ目でみただけ、レントゲンをとっただけではわからず、ペンライトで透かしてみたり、顕微鏡やルーペで拡大してみたり、レントゲンでも歯と歯の間を狙った撮り方で調べたり、いろいろな検査を総合して初めてわかるものも多いのです。そのようにしてみつかったむし歯は痛みが出てから治療するより大抵軽く済む事が多いです。

またいわゆるむし歯の状態になっていなくても、つめものや被せものと歯の間にすきまが出ている状態が観察されることも多くあります。根の治療の説明の記事でご説明したことがありますが、すき間がでているということは、歯の中に唾液が入るようになったということであり、安定していた根の中に細菌が入ることによって再感染が成立し、根の先に炎症をつくってしまうこともあります。これらは無症状で起こることも多くあります。再感染が成立し根の先の骨が溶けて炎症が起きてしまう前であれば治療の成功率もあがり、その後の治療介入を最小限に防ぐことができて結果的に歯の寿命を延ばすことも可能だと思います。

ここまで、症状に出ていない病気を早期発見すれば治療の成功率も高いし、治療も比較的簡単に済むというお話をしましたが、定期検診にはまだ効用があります。それはモチベーションが高まる(やる気がでる)ということです。なんだそんなことかと思うかもしれませんが(私も書いていて少し感じます)、私はこの点が先にご説明したことに匹敵するくらい大事なことだと思っています。

例えば歯ぎしりによる歯のすり減りや歯に伝わる力の緩和を目的としたマウスピースですが、毎日使用しているとなんとなく慣れてしまって、そこまで意味があるのかなと思ってしまうことも多いのではないかと思います。定期検診では、マウスピースの調整や装着の意義などを再度ご説明しますから、ああ、これは大事なものなんだな、これからもやってみよう、とやる気になるわけです。また就寝前におすすめしているフッ素の洗口液は、なんとなく毎日のことだと液が切れてしまったのがきっかけで(1ボトル使い切るまで続けられたのは大変素晴らしいことだと思います)やめてしまったりということも多いと思います。定期検診ではフッ素洗口の意義やむし歯予防の手段などお話しますので場合によっては、また始めてみようかな、と思うこともあるかもしれません。

痛みが出てしまった部分の治療と、他の部分の治療の介入時期

いわゆる痛みが出ている部分の治療を中心に通われているときはそこの部分で精一杯で他の部分にはなかなか気持ちが行かないことも多くあると思います。わたしも大変だった部分の治療が一段落したところで一旦お休みをしましょうかとお話することもあります。何ヶ月後かに再度チェックにいらしたときに、あらためて「症状がいまはでてはいないかもしれないけれども、これからこの歯を長く使っていくことを考えるならば、今後何かあってから治療を考えるよりも、今治療介入したほうが成功率も予後もいいと思います。」と提案させていただくこともあります。そこで言われたとおりになんでもかんでも治療すればいいかといわれると現実的にそれは難しいことも多々あると思いますので、それは患者さんの話をよく伺いながら、その方々にあったかたちで話し合いをしていくというように考えています。

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