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鍋割山ハイキングと歯科治療、共通点はなんでしょうか?

[2024.12.19]

鍋割山とは神奈川県の丹沢山塊にある山の一つです。

この地域からですと、新宿駅で小田急線に乗って1時間ちょっと、渋沢駅という駅で降り、バスに15分も乗れば登山口に着きます。しっかりとした歩きがいのある山で、遠征もしたくないけれど、高尾山よりも登り甲斐が欲しいという人にはうってつけの山域であると個人的には感じます。鍋割山の頂上にある山荘には名物の鍋焼きうどんがあり、小屋の近くから富士山を見ながら食べることができます。

子供が小さいときは、山へ行くとしても高尾山か鎌倉アルプス(天園ハイキングコース)、筑波山くらいだったのですが、体も大きくなってきたのでそろそろ丹沢もいいかなと思い始めています。というのは、個人的にそこそこ登りごたえのある登山は、達成感はもちろん、教育的効果も高いのではないかと考えるからです(そんな教育的効果なんか考えないで気楽に登ったらというご意見はもっともです)。

個人的に考える登山の教育的効果とは「未来に起こりうる危険を予測、回避して、もしそうなってしまった時の備えもしておく」ということです。

・計画の準備(段取り)

歩こうと思っている山を決め、季節と気候から、必要な装備を確認。足りていなければ店へ行き買っておく(これが楽しい。たいてい余計なものも買う。御徒町のモンベルか神田の石井スポーツ登山本店へ行く)。
歩くルートを調べて、概ねの行動時間、自分の経験に見合っているのか、ヤマレコなどで似たコースを歩いた人の記録を読む。
何かあった時のエスケープルートの設定、地図、スマホへの地図の読み込みを済ませ、少なくとも数日前からの現地の天気を調べ、登山道状況がどうなっているのかも調べる(最近ではクマの目撃情報も)。
登山計画書の作成、家族にも計画書を渡す。保険加入も忘れない。必要であれば下山後の入浴施設、食事処もチェック(予算、現金、電子マネーが使えるかどうかなども)。こんなところでしょうか。

・実際の山行

当日の天気、登山口での天気をみて、登山道を外れないように要所で地図またはスマホを確認する。同行者がいれば、その歩行ペース、健康状況も見ておく。また、運動強度によって服の脱ぎ着はこまめにする(特に登りはじめは薄着に)。
道が悪くなっているところを避ける。すれ違う人も様子がおかしい人がいれば見ておく(助けが必要でなくともできれば記憶に留めておく)。下山連絡を入れる。

・山行後

靴の手入れ、その他の道具を次に使える状態にしておく。

これら一連のことは登山が趣味でなくとも皆さん似たようなことをやっていると思います。段取りが大事という意味では料理も間違いなく同じカテゴリーに入るでしょう。
実は歯科治療も同じです。
どんな小さい歯科治療も似たような段取りをするのですが、インプラントのオペや根管治療の手術などは、事前に作ってある術式の大きな流れと小項目を確認し、今回の手術に特徴的な項目を付け足しています。道具の選定から、足りないものの補充、オペ前には頭の中で何回もシミュレーションします。それでも小さい想定外のことは起こるものですが、焦らなくても済みます。

 

どんなことでもそうですが、想定外のこととか、漠然とした不安(何がわからないのかわからない状態)に恐怖や焦りを感じると思います。自分で失敗を経験して痛い目を見ることが一番良いのですが、オペでやるわけにはいきませんので、ベテランの先輩方が書いた本やケースレポートを読んだり、また直接資料を見てもらってディスカッションさせてもらうことにより事前の心配や不安はかなり解消されます。ベテランの方々にはこういうところで困ることがあるからこういう用意をしておいた方がいいよなど、気づかなかったアドバイスを親切にいただいています。そうか、その視点があったのかと、いまだに納得することがたくさんあります。この繰り返しが学習であり、仕事をする限りはずっと続いていくんだろうと考えています。


これは誰においても必要なスキルだと思いますし、形は違えど既に皆様もやっていることでしょう。個人的には子どものうちからぜひ身につけてほしいスキルだと思います(もちろん絶対的な成長を待たなくてはならないところもたくさんあるとは思いますが)。登山という趣味でもその練習になるんじゃないかなという感想のブログでした。最後になんなのですが、このような記事を書くと私が非常に登山技術に長けていると勘違いされる方もいるかもしれません。しかし、あくまで私は散歩に毛が生えた程度の単なるハイキング好きであり、南、北アルプスを何日もかけて縦走するとか、名もなき低山の道なき道を開拓するとか、垂直の崖を登るとか、雪山や氷壁を登るとかそういうスペシャリストでは全くありません。失礼いたしました。

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