科博 海 -生命のみなもと-
先日、上野の国立科学博物館の特別展(海 -生命のみなもと-)に行ってきました。
国立科学博物館といえば最近はクラウドファンディングで話題になりましたよね。
小さい頃から何度となく行っている科学博物館ですが、常設展はその時の年齢、興味に応じて感じかたや理解の深さが変わりますし、特別展は毎回見応えがあり、新たな視点を与えてくれるものばかりですので、今回も期待に胸膨らませていました。
特に印象残った展示の一つは、水の起源関連の展示にあった、はやぶさ2が持ち帰ってきたサンプルです。打ち上げから小惑星リュウグウに到達するまで、そしてリュウグウに着陸してサンプルを得られたのかどうか、また帰還までと度々ニュースになっていましたから、より感慨深いものがありました。こんな小さな石つぶを持ち帰ってくるのにどれだけの苦労をしたんだ、隕石じゃダメなのかと思いましたが、これについてはお隣の展示にありました。隕石は地球の大気の汚染を受けているらしく純粋な研究材料にはならないようです。それまで宇宙にあった状態に近いとされていた隕石も、はやぶさ2の持ち帰ってきたサンプルの分析結果と比べると地球の大気の汚染を受けていたことがわかったそうです。地球の大気の影響を受けやすい隕石表面でなく中心に近い部分はおまけで研究対象にはならないのでしょうか笑
もう一つは環境汚染としてのプラスチック関連の展示です。地球のあらゆる場所で(マイクロ)プラスチックが見つからないところはないと言われていますが、日本から近い深海から採取された昭和40年代のジンギスカンに使う肉?のプラ包装が展示されていて衝撃的でした(クジラのお腹の中から見つかるビニールには(悪い意味で)もはや驚かなかったのですが)。なぜ昭和40年代とわかるかというとそこまで保存状態が「良かった」からです。
また全体的に展示の量も充実していてコースも比較的長く取られていると感じました。
途中、縄文時代の丸木舟と、海中の無人探査船の展示が同視野に入るところを見つけました。写真には撮りましたが載せて良いかわからないので割愛します。私の毎日の過ごし方だと、何千年経っても丸木舟から無人探査船にはならないなと思いました。この二つの展示の間にはあらゆるホモサピエンスの、ある目的に向かって協力する力が働いたに違いありません。「サピエンス全史」の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏が子供向けに書いた「人類の物語」では、ホモサピエンスは他の動物とは異なり、虚構を語る能力が、人類が大きな組織を形成し、急速な進化を遂げてきた原動力としていました。この虚構を語る能力についてはまた読み直したいです(虚構についての例として、宗教や国家が確か挙げられていたと思います)。
私の仕事に引き付けてみますと、現状歯科業界はプラ製品を廃棄し続ける業界であると思いますし、また容易には変わらないでしょう。試しに少し調べてみると、デンタルフロスのプラパッケージが紙パッケージになっているものや、歯ブラシも環境負荷が低いとされるものも出ているようです。実際これが本当に環境負荷が低いのか、機能性が担保されているのか(歯科清掃器具として問題なく機能するのか)は大いに検討の余地があると思っていますが、今回科博に行かなければ得られなかった気づきがありました。これも科博展示の良さと思っています。
今後の展示の宣伝として10月下旬から「和食」(リンクを貼りました)というテーマの特別展があるらしいです。食は歯科に大いに関わるところですので見に行きたいと思います。特設ショップにとらやの限定の商品も出るみたいです。ぜひに食べてみたいですが、この手の限定商品は未だかつて買えたことがないので期待せずに臨みたいと思います。