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我が家の子どもの口腔衛生環境(おやつの与え方 歯磨きの管理)

[2024.11.27]

お子さんの口腔衛生について指導することも多い私ですが、言ってみれば人様のご子息、ご息女の砂糖の取り方など人生のお楽しみとも言える部分に口出しするわけですから、「先生のご家庭はさぞかし素晴らしい口腔衛生環境なのでしょうね」と思われている部分もあるかもしれません。

今回は「反省」も含め記事にしてみることにしました。

まずなんと言っても砂糖について、世の中の歯科では違法薬物のように扱っている側面もあるかもしれませんが、私の医院ではそうでもなく、また我が家でもそこまで厳しく取り締まってはいません。ですが、私を相手としている限り、うちの子どもは基本的にそうやすやすと甘いものは食べられないと思っていると思います(本人に直接聞いたわけではありません)。

もちろん外に遊びに行けばお友達と分けるおやつも持っていきますし、またお友達からおやつもいただきます。当然ですがありがたく頂戴します。私がおらず、妻とこどもで出掛けているときは少々甘めの判定になっていることもあるようですが問題にすることはありません。私が引き締め役をずっとやっているわけではなく、私が子どもにクレープや和菓子やアイスを買って与えたりすることもままあります、と言いますか、よくあります笑(私自身も甘味はけっこう好きな方だと思います)。

うちでのおやつは、色々他に用意がある時でも子どもたちはやはりお菓子を食べたがります。昔はおにぎりでごまかせたのですが近頃はそうはいきません笑

冷蔵庫にはジュースは置いていません(子供が水分補給として飲めるようには置いてありません)。頂き物などで、もし置いてあったら私がありがたく飲みます(実は結構楽しみにしています)。お友達が遊びにきた時などはジュースの用意をしますが「普段飲み」はできないようにしています。

外食時にデザートを頼む場合も、基本は許可制です。子供がデザートを食べたいという申し出に対して、ほとんどの場合しぶしぶ「まあいいだろう」という態度で臨みます(誕生日などは別です)。最近の悩みは、塾などの勉強関係で集中力が切れそうなときのカンフル剤(古い表現ですみません)として、コンビニで買うお菓子を使用することがあるということです。もちろん禁断の手を使っている自覚はあります。それも使用しすぎてカンフル剤としての意味が失われつつあるのではないかと恐怖しています。

総合的な評価で言うと、繰り返しになりますが子供達から見て私は、そこまで厳しいわけでもないけど、色々と自由にならない口うるさい面倒なやつという感じでしょう。そのくらいでいいのではないかと考えています。よくあるケースがおじいちゃんおばあちゃんが甘やかし役で親は引き締め役というのがありますが、私は役目を分けるのではなく、大人それぞれが甘やかしと引き締めをやるべきと考えています。おいしい役を一人が独占するのはあまりいい方法だとは思いませんが、多くの場合は親が引き締め役をやらざるを得ないケースが多いのかもしれません。

子供の口腔内はたまに私がチェックします。むし歯は今のところありません(多分)。ブラシができているかのチェックは妻はしているようですが私は(現在は)ほとんどしていません。子供が「もう歯を磨いたから」と言われても大概は嘘です笑 嘘と言ってはいけないのですが、まず歯ブラシで歯を撫でた程度と言っていいでしょう(ごくたまに本当に磨けている時があります)。どのご家庭でも言っているであろう「磨いたと磨けたは違うんだよ」と文句を言いつつ「歯みがき上手をやってご覧(磨き残しを染め出す液です)」と声を掛け、洗面所でグジュグジュやった後に口の中を見るとブラシが少しでも当たりにくいようなところは真っ赤です。予想通りの展開です。じゃあ赤いところがなくなるように仕上げてというと、洗面所の方から「シャカシャカシャカシャカ」口の中で歯ブラシが迷子になりそうなほどの高速で歯ブラシが動く音がしてきます笑 そんな指導を私がかつてしたことがあっただろうかとめまいがします笑。それで赤いところがなくなっているかどうか見て終わりです。目で見てわかるということが重要なのかなと思います。ですので我が家では「歯みがき上手」を大変重宝しています。

子どもは夜に1回、糸ようじ、歯ブラシ、フッ化物(フッ素)洗口をして寝ます。この流れは特に文句も出ずに勝手にやっています。多分、当たり前のものとして納得しているようです。フッ化物洗口については4歳からやっています。これがむし歯の抑制につながっているところもあると思います。砂糖を当たり前のように摂らせないことと、どちらがむし歯抑制につながっているのかは、正直わかりませんが両方とも同じくらいに重要な点であることは間違いありません。

私が砂糖について(おそらく皆様が思う以上に)甘めの態度を取っているのには「いずれ砂糖のおいしさを知ることになる」と考えているからです。

幼稚園でも徹底的に砂糖を排除すれば歯にはいいかもしれませんが、公園でのおやつ交換に参加することはできません。仮に参加できたとしてもその場で食べることができません。家で砂糖を徹底的に排除していても中学生や高校生になってお菓子のおいしさを知ることで「どハマり」してしまうパターンがこの世には存在します。一方で、砂糖を小さい頃に食べないことによって特別甘いものには興味を示さなくなるパターンも、もちろん存在するでしょう。

類型のものにゲームがあると思います。一切ゲーム禁止で中学受験を走り切り、超一流校に合格、もう中学生だからとゲームを買って与えたらどハマりしてしまい、勉強どころではなくなってしまったという感じです(スマホゲームも然りです)。おそらく世間には多く存在する事例でしょう。同じく、ゲームに手を出さずに本ばかりよんでいて、そこでゲームを買って与えても対して興味を示さないという事例もあると思います。ちなみに私は小学校高学年から中学時代はKOEIというゲームメーカーの三國志シリーズをそこそこやりこんでいました。

お菓子にしろ、ゲームにしろ、徹底的に排除することにより成長しても大して興味を示さないというのが、おそらく最善のパターンだと考えますが「どハマり」のリスクを抱えると私は考えています(ゲームが一概に悪いとも言えませんが)。そこで私が採用している方法は「制限を設けつつほどほどに与えて甘いものに慣れさせる」ということです。おそらく我が家の子どもは甘いものが大好きですし、これからもそれは変わらないと思うのですが、いわゆる成長してからのどハマりは避けられるのではないかと考えています。

ほどほどに与えて、それでも好きな部分については、健康についての知識を自分で得てコントロールしてもらえればと考えています。砂糖は私たちにおいしさ、ひいては幸福を与えてくれますが、摂りすぎてしまうことによる弊害はむし歯だけではないと考えています。ですので、歯に関わらず健康についての話題や食生活の考え方、運動の大切さなどは子どもによく話すようにしています。

ハレとケを分けることご飯を中心とした食生活にするなどは基本的なことなので、どの程度理解につながっているかは分かりませんがよく言って聞かせています。大当たりも狙えないが大外れも避けられるであろう、ほどほどの成功を狙えるような策を打つというまさに私の性格が出た方法と言えるかもしれません。

歯科医として理想的な甘味指導とは程遠い感じがしますが、我が家の適正値としてはこの辺りが限界です。

みなさまもご家庭の、またはご自身の適正値を探してみてください。この記事を読んでからだと説得力に欠けるかもしれませんが当院でもお手伝いいたします。

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