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予防の4本柱

[2026.07.31]

お口の健康を守る「予防の4本柱」

皆さんは「歯科の予防」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか?多くの方が「むし歯」や「歯周病」を防ぐための毎日の歯磨きをイメージされるかと思います。

もちろん日々のケアは非常に重要ですが、生涯にわたってご自身の歯でおいしく食事を楽しむためには、それだけではカバーしきれない部分があります。現代の歯科医療において、お口の健康を守り抜くためには「予防の4本柱」という考え方が欠かせません。

今回は、その4つの柱についてお話しします。

予防を支える「4本柱」とは?

1. むし歯(細菌感染)

お口の中の細菌が糖分をエサにして酸を出し、歯を溶かしてしまう病気です。歯磨きの状態だけでなく、唾液の質や量、飲食の頻度(ダラダラ食べ)などが発症リスクに大きく関わります。歯磨きペーストや洗口液に含まれるフッ化物の使用もしっかりと行いたいところです。また、細菌感染ではありませんが、酸によって歯が溶けてしまう「酸蝕症」も注意が必要です。

2. 歯周病(細菌感染)

歯を支える骨が溶けていく病気です。初期は自覚症状がないまま進行し、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。また、科学的な研究により、歯周病菌が糖尿病や心疾患など全身の健康にも悪影響を及ぼすことが分かっています。ブラッシング時の出血が重要な兆候です。

3. 力(食いしばり・歯ぎしり)

無意識のうちに歯を強く噛み締める「力」の問題です。過剰な力がかかり続けると、歯が割れたりすり減ったりするだけでなく、顎関節症や顔面・口腔内の痛みを引き起こす原因にもなります。お口の中が清潔であっても、「力」によって歯を失うケースは少なくありません。

4. 機能(口腔機能発達不全症・口腔機能低下症)

「正しく噛む、飲み込む、話す」といった、お口の機能そのものの問題です。お子様の場合はお口周りの筋肉や機能が正しく発達しない「口腔機能発達不全症」として、大人やシニア世代においては加齢などで噛む力や飲み込む力が衰える「口腔機能低下症」として現れます。機能の低下は、全身の栄養状態や健康寿命に直結します。特にご高齢の方は栄養の摂取という意味でもお口の機能を守ることは非常に重要です。入れ歯を使わずに食事ができているから大丈夫と思っていても、検査で調べてみると咀嚼ができていないという数値が出てしまうこともあります。

リスクは人それぞれ。まずは「自分の弱点」を知ることから

この4つの柱のうち、「自分はどこが弱点なのか(=どこに一番のリスクがあるのか)」は、患者様お一人おひとりで全く異なります。むし歯も歯周病もそれほど問題がないのに、非常に噛みしめ、食いしばりが強く、ご自身の歯を減らしてしまったり、割ってしまったりする方もいらっしゃいます。また、むし歯だけが進みやすく、その他はそれほどでもないという方もいらっしゃいますし、4つの部分がそれぞれそこそこリスクを抱えているということもあります。同じ人でも、20代なのか、50代なのか、70代なのかでもリスクのバランスは異なります。

予防において最も大切なのは、「自分自身の弱点を正しく理解し、それに合わせたオーダーメイドの対策を立てること」です。

リスクの判断は歯科医師、歯科衛生士にお任せください。ご自身でご自分のリスクを正確に見極めることは困難です。

むし歯や歯周病の進行度合いはもちろん、目に見えない「噛み合わせの力」のバランスや、ご自身では気づきにくい「お口の機能」の低下を客観的に評価し、診断するのが私たち歯科医師の役割です。

当院では、患者様のお口の状態を診査し、「あなたにとって今、何が一番のリスクなのか」「それを防ぐためにどんな対策が必要なのか」をお伝えします。生涯にわたってお口の健康を守るために、まずは一度、ご自身の「弱点」を知るためのチェックにいらしてください。一緒に最適な予防プランを考えていきましょう。

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