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むし歯の治療について

食べ物が急にはさまるようになった。冷たいものを飲むとしみるなど、これむし歯かな
と当院にいらしたときの処置についてご説明いたします。

むし歯の診断

まずその痛みや違和感が本当にむし歯からきているものなのかを診断します。
痛みのでている状況を詳しくお伺いし、口の中を拡大鏡や顕微鏡でよくみたり、ライトで透かしてみたり(透照診)することもあれば、
歯と歯の間をよくみられるレントゲン(バイトウイング)を撮ったり、または
冷たいものや温かいものを歯につけて歯の神経の反応をみることもあります。

場合によってはむし歯ではなく、詰め物が外れてしまっただけのこともあれば、ブラシで歯ぐきを傷つけてしまって歯ぐきがしみる状態になっていることもあります。

むし歯の治療で重要なこと

むし歯であることがわかれば、次の2点が重要になります。

1 神経への影響はどの程度であるのか(神経は保存可能かどうか)
2 むし歯をとったあとつめものをするか、かぶせたほうがよいのか


一般的にむし歯の大きさが大きければそれだけ神経への影響は大きいと言えますが例外も存在します。細く深くできているむし歯もあれば、浅く広くできるむし歯もあります。
神経にどの程度の影響がでているかは

・何もしないときに痛むかどうか(夜痛くて目が覚めるや、なんの前触れもなくズキズキするなど)
・冷たいもの温かいものに、鈍く長く反応するかどうか(鋭くしみるのではなく、ズーンと響くように10秒程度しみるなど)

で推測します。 

神経に回復不能な炎症が起こっていると診断がつけば、神経を取る治療(根の治療)が適応となりますし、部分的にも残せる可能性があれば断髄法を提案致します。回復可能な炎症であると推測されれば保存して経過をみます。
当院ではなるべく神経を保存することを大切に考えています。


神経を取ることになって根の治療を行なった歯は、歯の頭や歯の根が割れないようにかぶせることがほとんどです。
神経を保存できた場合は、むし歯によって削ることになってしまった歯の大きさによって

・コンポジットレジン
・インレー
・クラウン

などの修復方法が考えられます。

各修復法について

コンポジットレジンは光でかたまる歯の色に似た詰める材料です。型をとらずにその場で修復できるため1回で治療が終わるというのは利点ですが、口の中での操作となるため複雑な部分となると精度が落ちてしまいますし、またあまり大きなむし歯の穴だと強度も気にしなければなりません。それほど大きくなく単純な部分のむし歯にはとても良い手段だと考えています。

インレーはパズルのピースのように、部分的に歯を修復する材料です。むし歯の穴の大きさや、深さによって適応となる材料が変わってきます。強度のことだけ考えれば金属が考えられますが、歯を白くしたいとお考えの場合はセラミック、ジルコニアも症例によっては適応となります。

クラウンはむし歯の穴が大きく残っている歯の部分が少なくなってしまった場合、残った歯を守るためにかぶせものをかぶせる処置です。ある程度歯が残っていると思っても、歯の強度は健全歯に比べ失われていることが多いです。また歯が割れてしまうと保存できるかどうかの話に直結することもありますから、歯を削らずにということも大事なのですが歯を削ってもかぶせたほうが良いということもあります。インレーやコンポジットレジン修復に比べ、歯の強度を上げることができるのはクラウン(かぶせもの)処置のみという理由からです。

その歯の状態と各方法のメリット・デメリットをお話し、患者さんとともに最善の方法を探っていきます。

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